カメラを買い替えてみた。【ドキュメンタリー次回作をGH5で撮ることにした9つの理由】

カメラ

明けましておめでとうございます。

去年の8月1日に「ブログ始めてみた」と宣言したのに、たった4本しか記事をあげてないという。。。

「今年は、ちゃんと書くぞ!」(←典型的な正月野郎)

ということで、今年も(今年は?)、よろしくお願いします。

今回は、カメラ機材の話です。
ドキュメンタリー映画を撮るために2015年に買ったビデオカメラが壊れてしまいまして。最初に音声がやられ、定期的に変なノイズ音が入るように。修理して、音声は復活しましたが、この夏撮った動画を見ると、今度は定期的に映像にノイズが入ってました。。。チャンスが1回しかないドキュメンタリーで、故障頻発は致命的だなと。画質にも満足できなくなっていたので、思い切って、カメラを買い替えることにしました。

こんなカメラがほしい

美しい映像が撮りたい!

ドキュメンタリーは、とにかく決定的瞬間を撮り逃さないことが基本。でも撮り逃すんですよねー。すると守りに入るというか、広角で全体を収めるような説明的な絵が多くなってしまって。最低限の「記録」はできるけど、絵がどんどんつまらなくなるという。それに、パレスチナを撮っていると、どうしても悲惨な話も多いです。それをただニュース映像のように記録してて良いのかと。悲惨なことが悲惨なまま映っているだけでは、映像を観ている方は、ただ打ちひしがれて、思考停止になるというか。でもそれじゃあ、意味がないと思うんですよね。悲惨さをアピールして暗い気持ちにさせるドキュメンタリーを撮りたいわけではないので。もっとパレスチナの美しいところや、人の温かみも映したい。となると、「綺麗だなー!」と感動するような美しい映像を撮りたいという欲がふつふつと湧いてきました。

機動力がほしい!

美しい映像のためなら、大型の性能の良いカメラで三脚にちゃんと載せて、スライダーなんかも使って、となるのかもしれません。でも、パレスチナの人を美しく撮っている時、突然イスラエル兵が催涙弾撃ってきたら・・・。外に飛び出して、それも映したい。となると、そんな大掛かりなシステムではダメで、機動力のあるカメラが必須です。

さて、希望が叶うカメラはあるのか?

ワンオペで、ドキュメンタリーが撮れるカメラは選択肢がいろいろあります。
特徴は、だいたいこんな感じ。

【小型ビデオカメラ】画質△ 機動力○ 動画性能○
【業務用ビデオカメラ】画質○ 機動力△ 動画性能○
【一眼レフカメラ】画質○ 機動力○ 動画性能△

うーん、どれかが○だと、どれかが△。
画質も機動力も動画性能も全部○なカメラないかなー?
あるわけないかー。

と思ったら、あったんです!

こちらです。

ミラーレス一眼のPanasonic Lumix GH5!

いやあ、ここまで動画のことを考えてる一眼があったとは!
発売から、もうだいぶ経ちますが、いまだにYoutuberやビデオグラファーに人気なのも頷けます。

すっかり惚れ込んで、次回作のために、購入してしまいました。

GH5にした理由① (バリアブルフレームレート)

バリアブルフレームレートは、俗にいうハイスピード撮影(スローモーション撮影)のこと。これがGH5はすごい。
本業は代理店でCMを作っているので、CMの話をしますと、たとえば、シャンプーや化粧品のCMで、ハイスピード撮影はかかせません。「うわっ、この女優さん綺麗だな」と感じるビューティカットは、ほぼ100%ハイスピード撮影です。「サラサラの髪がパサっーーーー!」「潤ったリップで口づけーーーーー!」「アイシャドウがキマッた目でウィーーーーンク!」みんなハイスピードです。
ちなみに、CMがフィルム撮影がメインだった頃、10倍のハイスピード撮影ができるカメラがあったのですが、「ギュイーーーーーーーン」と、ものすごい唸り声をあげて、フィルムロールが回るわけです。もともと業務用のフィルムは1巻が高価なのに、その10倍のスピードでフィルムがなくなるわけです。プロデューサーは、この「ギュイーーーーーーーン」という音が「チャリンチャリンチャリリリリリーーーーーーーーン」とものすごい音で、予算が消えていく音に聞こえるらしく、ブルブル震えてました。そんなハイスピードが、この小さなカメラで、美しく簡単に撮れるなんて、隔世の感です。
GH5は、フルHDで180fpsまで設定OK。フレームレート30Pで撮影していたら6倍のハイスピード撮影ができます。CMでもよく使うのは、2〜4倍くらいのハイスピードだから、6倍というのは、すごい。24Pなら7.5倍です。もちろんビューティカットの他にも、緊迫したシーンや、問いを投げかけるシーンなど、ドキュメンタリーのここぞという時にハイスピード撮影が生かせるので、表現の幅が広がりそうです。


(↑バリアブルフレームレートのテスト撮影をしてみました。暗所という厳しい条件でのテストです。)

GH5にした理由② (手ブレ補正)

自分が撮影した映画の感想を聞いたところ、「カメラぶれてたねー」とおっしゃってくれたカチンとくる親切な先輩がいらっしゃいまして。それがずーっと気になってました。カメラのブレも臨場感があって良かったよ、という方もいらっしゃいましたが、こういうカチンとくる親切な先輩の意見を大事にすることが作品の向上に繋がります。ブレを無くすためには、もちろん三脚を立てて撮影すれば良いのですが、突然話し出す人を撮影しなければならなかったり、突然パレスチナ人に銃口を向けるイスラエル兵を撮影しなければならず、現実的ではありません。カメラ自体に強力な手ブレ補正があることが必須でした。その点、GH5はB.I.S(ボディ内手ブレ補正)と、B.I.S(ボディ内手ブレ補正)とレンズ内手ブレ補正(O.I.S)を連携させるDual I.S.2搭載で、手ブレ補正が強力だと評判でした。実際に使ってみると、FIXで構えている時のプルプル揺れは、「え?三脚使ってるの?」というぐらい抑えてくれます。歩行撮影時の上下動もかなりのレベルで抑えてくれました。これなら、カチンとくる親切な先輩も褒めてくれる映像が撮れることでしょう。いや、絶対に撮ってやる!(←根に持ってる笑)

GH5にした理由③ (ダブルSDカードスロット)

GH5は、SDカードが2枚入れられます。

するとこんなことができます。

バックアップ(サイマル)記録

1つ目のSDカードに記録しながら、2つ目のSDカードにもバックアップ用として同じ画像・映像を記録しておく記録方式。

元々は、誤ってデータを消去したり、突然のメディアクラッシュ用のバックアップです。データは命より大事なので、業務用ビデオカメラには必須でしたが、この小さいカメラに搭載されてるなんて!
以前使っていたビデオカメラもダブルスロットで、救われた経験があります。ドキュメンタリーは、闇に光をあてる行為です。当然、光を当てられることを良しと思わない人もいるわけです。とある場所を撮影をしていたところ、「ここは、撮影禁止だ。」と警備員に止められたんです。「この場で消去しろ!」との声。僕は賭けに出ました。「なんで消さなきゃいけないんだよ!」と怒りの演技をMAXにしながら、SDカードを全消去しました。そして、データが空になって動画がゼロになったところを警備員に見せました。「よし、行ってよし」と警備員。僕は、心の中でガッツポーズしました。カードAのデータは無くなりましたが、全く同じデータが記録されているカードBのデータはまるまる残ってるわけです。警備員も、そこまでは気づかなかったのでしょう。バレたらどうしようと、ドキドキでしたが、大成功でした。「俺、ミッションインポッシブルのトムクルーズみたいでかっこいい!」と自画自賛したことは言うまでもありません(笑)
ダブルSDカードスロットは、採用されていない機種が多いです。プロ用の機能を惜しみなく注ぐパナソニックさんの姿勢が、好感度大です。

順次(リレー)記録

1つ目のスロットのSDカード容量がいっぱいになった際、自動的に2つ目のスロットのSDカードに記録をスイッチする記録方式。

ドキュメンタリーを撮影している時、いつもドキドキなのが、SDカードの残量。スピーチを撮っている時など、話が長くて、残量が足りない!なんてことがあるわけです。慌ててSDカードを交換して時に限って、「すげぇ、いいこと」を話したりするわけです。もう一回その部分話してくださいと言うわけにもいかず、後の祭り。でもこのリレー方式があれば、撮影が長時間に及びそうな時も安心です。

GH5にした理由④ (長時間録画)

EU圏へ輸出の際、連続撮影時間が30分を超えるカメラは「ビデオカメラ」と分類され関税が高くなるそうです。なので、ほとんどのメーカーの一眼カメラの動画は、30分以内に制限されてます。でもGH5はそんなことはお構いなしに、30分制限を撤廃。気前がいいじゃないですか!
また、そもそも熱暴走のため、長時間録画できない一眼もあります。CM業界で5Dや7Dが使われだした頃、赤道直下の島でドキュメンタリー風の長尺CMを7Dで撮影したことがあります。でも、画像は美しいのですが、動画用に設計されているわけではないので、熱暴走でカメラが頻繁に止まってしまうんです。その時のカメラマンが、熱暴走したカメラに、冷えピタを貼っていたのを今でも覚えてます。もちろんそれじゃあ、全く歯が立ちませんでしたが(笑)その点GH5は、回路設計や基盤設計から見直し、徹底的に熱問題に取り組んだようです。4K撮影はデータ量も膨大なので、熱の発生もすごいと思うのですが、長時間録画しても全く熱くなりません。きっとプロジェクトX的な熱との戦いがあったのだろうな、と思うと、ますますGH5が好きになってしまいました。

GH5にした理由⑤ (ピーキング・ゼブラパターンなど)

カメラ選びと同じように迷ったのがレンズ選び。今回GH5と合わせて、マニュアルフォーカス専用レンズを購入しました。ただオートフォーカスの経験しかなく最後まで購入をためらっていました。購入の決め手は、ピントが合っている部分を色付きで表示してくれるGH5のピーキング機能。これが便利で、手前の人物にピントを合わせてから奥の人物にピントを送るといったピン送りもすごくやりやすい。これだったら大丈夫かもと、マニュアルフォーカス専用レンズを購入しました。
実は、CMの撮影現場で、タレントさんがすごくいい表情を決めたのに、カメラマンさんから「すみません!ピン送れませんでした!」と言われることがたまにあるんですよね。代理店の立場からすると、「え?プロでしょ?何それ?せっかくいい表情だったのに」なんて思ってたのですが、今ここで謝ります。ピン送りは難しい!でもバシッと決まったときの快感と言ったら!まだまだ初心者なので、マニュアルフォーカスは練習が必要ですが、がんばってみようかと思ってます。

この他にも、ゼブラパターンやベクトルスコープや波形モニターなど、業務用ビデオカメラにしかついてないような動画機能が、てんこ盛りで。「動画やる人のために作りました!」というメーカーの意気込みを感じました。


ピーキング表示


ゼブラパターン

GH5にした理由⑥ (防塵・防滴設計)

パレスチナは砂漠が多く、とにかく埃っぽい。精密機器にとっては最悪な環境です。なので、GH5の防塵・防滴設計はとても心強いです。

GH5にした理由⑦ (4K/60P動画記録)

ミラーレス一眼で世界初の4K60P。4K60Pはデータ量が膨大で編集もPCスペックが必要なので、次回作を4K60Pで撮影するかどうかは迷うところですが、長く愛用することも考えると、このスペックは魅力でした。

GH5にした理由⑧ 4:2:2 10bit記録

こちらも世界初の4:2:2 10bit 4K/30P記録。4:2:0 8bitに比べて、2倍の色情報、128倍の情報量とのこと。柔軟なカラーグレーディングが可能とのことなので、映画的なルックを目指してカラーグレーディングの勉強もしていきたいなと思ってます。(どんどん本業から離れていく・・・笑)

GH5にした理由⑨ (V-LogL)

オプションで付けられるV-LogL。Log撮影ができるということで、カラーグレーディングに有利。
4:2:2 10bit記録と合わせて、映画的なルックのために、Log撮影にもチャレンジしたいなと思います。

【番外】イマイチなところは、バッテリーの持ち。

一眼の宿命ですかね。バッテリーが小さいので、バッテリーの持ちはイマイチです。これだけは、改善を求めたいところです。

まとめ

GH5は、静止画撮影と動画撮影の垣根を取り払い、業務用カメラとコンシューマー用カメラの垣根も取り払う存在だなと感じます。

インターネットの出現で、マスメディアだけでなく誰もがコンテンツを発信できる世の中になりました。
そして、それに呼応するような形で、GH5が出現しました。
これからは、誰もがプロレベルの動画コンテンツや映画を撮影できる時代です。
いやはや、すごい時代になったもんです。

うちの高校生の娘とか普通に動画編集してるしなぁ。TIKTOKとか面白いしなぁ。

僕も、がんばらねば!